嫌われ力とは?

 嫌われ力とは、嫌われても気にしない力のことです。似たような言葉でストレスになりそうな外部情報を自分の中で貯めこまず、上手く受け流す鈍感力がありますが、この鈍感力を包含し、嫌われるのを分かっていてあえて行動を起こすことが嫌われ力です。

なぜ、嫌われ力が必要なのか?

 新たな事を始める時には、否定、反発、抵抗が付きものですが、逆にほとんどの人に受入れられるアイデアやビジネスは、既に誰かがやってうまくいっているもので、競争が激しく、資本力で優劣が決まるならば、ハイリスクローリターンの市場であり、失敗する確率が高いのが実際のところです。新たな事を始める際に、否定、反発、抵抗を押しのけて実行すれば、嫌われること間違いなしですが、事を成すためには少なからず、嫌われても実行しなければなりません。

 全ての悩みは人間関係にあるとよく言われますが、人間関係の中で、ちょっと否定されると思い悩んでしまう人は、嫌われ力が乏しいでしょう。また、周りから嫌われないように意見を合わせ過ぎる方がいますが、これはこれでストレスが溜まるだけですから、いつか爆発してしまう可能性があります。つまり、嫌われ力は誰しも必要なことなのです。

人間関係に強くなるには嫌われ力が必要

 嫌われ力は人間関係においても重要な意味をなします。受動的に嫌われるのと能動的に嫌われるのでは、本人におけるストレスは段違いです。例えば、昔「いじわるばあさん」という番組があり、三度の飯より意地悪を生きがいとする老婦人で、家族でも初対面の相手でも構わず意地悪を仕掛ける主人公です。実際に似たような人がいると思いますが、意図的に意地悪をして嫌われる訳ですが、それ以上に快感を感じるためストレスを感じても気にしない訳です。

 受動的に嫌われたと思うのではなく、実際には自分の行動に多少なりとも原因があるのであれば、能動的に嫌われにいっており、嫌われ力があることが分かります。人から否定されている、嫌われていると感じる、自分への評価が低いといったネガティブな印象を持たれることによるストレスを軽減するには、自らがそのように思わせる行動を取っている可能性があるということで、そもそもストレスを感じる必要がないと考えることができます。

 しかしながら、ネガティブな印象を持たれるとストレスを感じてしまうのも事実です。このストレスを無視する力こそが嫌われ力と言い換えることができます。では、嫌われ力を身に付けるのはどうしたらよいのでしょうか?

嫌われ力を身に付けるには

 何かに縛られている状態は、他に選択肢がない状態と言い換えることができます。例えば、希望の転職先を見つけるのが困難の場合、現在の状態を守るために、嫌われることを避けるようになります。逆に言うと、縛られない状況を作ることが嫌われ力を身に付ける方法です。つまり、選択肢を持っておくことで縛られることなく、冷静に判断することができ、ちょっとした否定や批判を無視することができるようになります。つまり、逃げ道を持っておくことです。

逃げ道は考え方で作ることができる

 逃げ道とは、別の場所で生活することができることや別の職業に変えることができるなど物理的な逃げ道があった方がより安心感がありますが、物理的である必要はありません。物理的な逃げ道を作るための準備を行うことで、精神的な逃げ道を作ることができます。例えば、新たなことを始めるにあたっては、失敗した時のリカバリー案を考えておくこと、現在の職場では関係ない資格やスキルを身に付ける準備を行うなどです。実際に準備を実行することで、逃げ道を確保できていない状態でも逃げ道がある状態に近い安心感を得ることができます。

 また、納得する考え方によって逃げ道を確保することもできます。何かを成す為には嫌われることを避けられない場合があります。極端な例ですが、アップルのスティーブ・ジョブズの嫌われっぷりはすごかったようです。人からの意見や評価を気にしていては、本当にやりたいことや作りたいことを実現するのは難しいのかもしれません。社会に新しい価値をもたらしたベンチャー企業には、その壁を乗り越えてきたパターンが多いのも事実です。このように嫌われる大義名分を持つことで納得感を得やすくなります。

 注意しなければならないのは、スティーブ・ジョブズのようになりたくて、革新的なことを実現するのには嫌われる態度を取る必要があると勘違いをして、悪い行動を正当化するのと履き違えないようにしなければなりません。

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