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ネガティブ事案の例
例えば、新たな事業を興すのに多額の借入をしなければいけない場合があります。事業がうまくいかなかった場合、当然、自己破産する可能性も出てきます。なぜ、そのようなリスク(失敗した時の代償)を取ってまで、起業家やベンチャー企業は事業を推し進めるのでしょうか?
そのような起業家やベンチャーにおいて、愚問であると思いますが、事業には不確実性が付きもので、そのようなリスクを取れないのであれば、多額の借入をする事業には手を出さない方が良い、となるでしょう。
しかし、そうはいうものの借入金額が増えれば増えるほど、精神的な負担が大きくなるのも事実です。本テーマは、どのようにすれば、ネガティブ事案の精神的負担を減らすことができるのかに焦点を当てています。
借入額は会社又は事業の価値を表す
ある経営者が新たな事業を興すのに2億円超の借入をして、当然、代表者保証も付けるので、事業がうまくいかず会社が倒産してしまった場合は、その債務は個人が返済しなければなくなります。
しかし、その経営者は、「ソフトバンクグループは5兆円を超える借入(有利子負債)がある。自分はまだまだその程度しか借りられないのか」と嘆いていました。これは、借入額はその会社の価値を表すものであり、事業を興す場合の借入額はその事業の価値として捉えることができるということです。
このお話を聞いた時に、借入をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに捉えるロジックであると思いました。実際に金融機関も貸出を行う際に、会社や事業の将来性を精査して貸出しを行う訳ですから、借入額は会社の価値のバロメーターとも捉えることができる訳です。つまり、多額の借入が出来るほど、その会社にはそれだけの返済能力があり、価値があるものということなります。
借入をする際に、相当な覚悟が必要と考える方と、まだまだこの程度しか借入ができないのかと考える方がいることが分かりました。恐らく成功確率が高いのは、後者の方であると考えます。
私は、経営コンサルタントとして事業再生の支援を何度も行ったことがありますが、経営者が精神的に参っている場合、経営者の思考能力が極端に落ち、普通レベルの判断すら出来ない場合も出てきます。そのような精神状態で、会社経営がうまくいくはずがありません。
ネガティブ事案をポジティブに捉えて精神的負担を軽減
ネガティブ事案も切り口によっては、ポジティブに捉えることができます。しかし、どのような切り口であれば、ポジティブに捉えられるかは個人差があります。精神的負担や不安が消化できるまで、理由付けを考え続ける必要があります。
忙殺や素早く行うことで精神的負担を軽減
経営者には多くの悪い報告やトラブルが上がってきますが、あまりの忙しさに精神的に参っている時間がないという理由で消化されている場合が多いです。
また、ネガティブ事案に関する作業を行わなければならない場合、ダラダラとやってしまうと余計な事を考えてしまいます。余計なことを考える前にさっさと終わらすことで、精神的負担を軽減することができます。